けん板断裂

中高年の肩痛 ②けん板断裂

放っておくと短期間で悪化することも。
自然治癒することはないので病院へ。

棘上筋(きょくじょうきん)、棘下筋(きょくかきん)、小円筋(しょうえんきん)、肩甲下筋(けんこうかきん)の4つの筋肉の集合をけん板と言います。なかでも、棘上筋が最も損傷しやすく、切れて上腕骨などに狭まることで痛みを生じます。夜間痛で睡眠がとれない、肩の拳上は可能だけど運動痛がある、腕を挙げるときに力が入らない、腕を挙げる時に肩の前上面で「ジョリジョリ」という音がする、などの症状があります。

けん板断裂は、短期間で悪化することもあります。早めの受診をお勧めします。

けん板断裂の症状

けん板断裂の症状
けん板

どんな人に起こりやすい?

◎繰り返し重いものを持ったり、上下左右に肩を動かす仕事の方

◎テニスや野球などスポーツをする方

◎長期に渡り松葉杖や車いすを使用した方

けん板断裂の治療

保存療法(注射やリハビリ)

治療の多くはすぐに手術が必要になるような事はありません。まずは、リハビリテーションや鎮痛剤の服用、関節内への注射などを併用しながら症状が軽快・消失することを待ちます。3~4カ月行っても症状の改善が得られない方は手術治療をお勧めしています。

理学療法士による痛みの軽減、筋力訓練による改善を行います。

リハビリテーションによる痛みや症状の改善を行います。専門医との連携を図りながら、症状の進行を抑え経過を観察していきます。

手術療法(傷口が小さい関節鏡視下手術)

当院では、傷口が小さく心身ともに患者さんの負担が少ない関節鏡視下手術を行っています。過去の切開手術では、断裂したけん板部分を治療するため、正常な組織に大きく侵襲を加える必要がありましたが、関節鏡視下手術では正常な組織の損傷が最小限で済みます。傷口は1cm程度の傷が数カ所と目立ちにくく、術後の痛みも大幅に軽減されるなど、関節鏡視下での手術では多くのメリットがあります。
関節鏡視下手術

手術療法