ボツリヌス療法外来

ボツリヌス治療外来

当院では、脳卒中や頭部外傷後にみられる「手足の筋肉のつっぱり(痙縮)」に対するボツリヌス療法による治療を行っています。

手足の筋肉のつっぱり(痙縮)とは

脳卒中や頭部の外傷後などで見られる後遺症の一つです。筋肉に力が入りすぎて動きにくかったり勝手に動いてしまう状態で手足の筋肉がつっぱる状態です。
私たちが腕を曲げ伸ばしするとき、脳からの命令が脊髄を通って運動神経に伝わります。何らかの原因で運動神経までの経路が損傷すると脳からの命令は届かなくなり筋肉の制御が聞かなくなり筋肉は麻痺や痙縮をおこします。
主な特徴は、手や指が曲がったままになり開こうとしても開きにくい、肘が曲がる、足の関節が内側に入ってしまうなど手足の筋肉が運動制限され衣服を脱ぎ着する時や何かを握るとき、歩行するときなど日常での生活を支障をきたします。

ボツリヌス療法

手足の筋肉のつっぱり(痙縮)を和らげる治療法として、その効果に期待が寄せられているのが「ボツリヌス療法」です。2010年10月に厚生労働省より認可がおり公的医療保険で治療を受けられるようになりました。

ボツリヌス療法とは、ボツリヌス菌が作り出す天然のタンパク質(ボツリヌストキシン)を有効成分とする薬を筋肉に注射します。この治療は緊張している筋肉をゆるめることができ手足が動かしやすくなります。この治療法は、アメリカでは1989年より医薬品として承認され、世界80カ国以上で広く認められ使用されている歴史のあるお薬です。

ボツリヌス療法で期待できること

◎手足の筋肉がやわらかくなることで、【更衣・移乗・歩行など日常生活動作】が行いやすくなります。
◎痙縮による同じ姿勢が続くと、関節の固まり(拘縮)や変形を起こしてしまうこともありますが、治療により痙縮をやわらげることでリハビリテーションが行いやすくなり拘縮の予防効果も期待できます。
◎関節がやわらかくなることで、手のひらやわきの下、陰部などの清潔を保ちやすくなります。
◎痙縮による痛みを緩和する効果が期待できます。
◎ご家族にとっても、治療により身体的な不自由さや精神的苦痛がやわらぐことで、支えているご家族の介護の負担が軽減されます。
◎寝たきりの方は、おむつ交換、体位変換、更衣介助などが行いやすくなります。

ボツリヌス療法の進め方

診察

「痙縮の程度」「日常生活動作で困っていること」「治療目標」「治療を受けられるかどうかの判断」など脳神経外科医師による診察を行っていきます。

初回治療

つっぱりのある筋肉にお薬を注射します。
当院では、理学療法士と医師が連携して筋肉の動きを確認しながらより効果の高い治療を行っています。

2回目以降

治療の効果を確認しながら2回目の治療を行います。
以降は経過観察と治療を繰り返します。

※治療の間隔には個人差があります。

ボツリヌス療法の効果について

個人差はありますが、効果は注射後2~3日で徐々に現れ、1回の治療で通常3~4ヶ月ほど持続します。ボツリヌス療法は注射を打つだけでなく、同時にリハビリテーションを行う必要があります。当院では、常に専門の理学療法士が自宅で継続的にかつ効果的にリハビリテーションを行うための指導を行います。

費用と公的支援

ボツリヌス療法では、基本的な診察料の他、お薬代、注射の手技料、検査料などがかかります。お薬代は治療の方針によりますが、5万円~37万円となります。公的医療保険が適用されますので、3割負担の方なら2~11万円くらいです。福岡市におきましては、公的な支援を受けることが可能な場合があります。
福岡市在住の方:重度障害者医療費助成制度が受けられる場合があります(全額助成されます)
福岡市以外に在住の方は各役所か当院医事係へお尋ねください。

ボツリヌス療法を受けられる方とそのご家族へ

ボツリヌス療法は残念ながら痙縮に対しての魔法の薬や特効薬ではありません。注射を打つことで固くなった筋肉をやわらかくし、適切なリハビリテーションを行うことで効果を期待できるお薬です。効果の持続は3ヶ月~4ヶ月とされていますが、個人差がありますことをご理解下さい。また、筋肉ではなく関節が固まっている拘縮(こうしゅく)には直接的な効果はありません。ボツリヌス療法は定期的な薬剤の投与(3ヶ月~4ヶ月)とリハビリテーションが必要な治療法です。

ボツリヌス治療外来に関するお問い合わせ

患者様専用ダイヤル 092-812-1880

ボツリヌス治療外来外来日

毎週 水曜日、木曜日の午後(受付13時30分~16時)
完全予約制 お電話にてご予約下さい。
脳神経外科外来の入江医師を受診頂き、診察を行います。
(初回に注射を打つことはありません)